想起は記憶の再生ではなく、現在の問いによって過去を編み直す行為なのかもしれない。そう考えると、ノートを取らないという制約は、忘却への恐れではなく、今ここで問い直す機会を手放さないためのルールだと受け取れた。
毎週、テーマが
「非公開」でも
人が集まる。
机のない教室で、2時間だけ頭を動かす。
少人数・対面・月謝制の、大人のための学び場です。
興味があるから知りたい、ではなく、
知るからこそ、興味が湧く。
机 の な い 、教室。
ホワイトボードひとつで、2時間。
録画では再現できない化学変化のために、四つのルールを守っています。
オンライン配信も録画もありません。同じ部屋の空気を吸いながら、2時間を共にする。
台本はありません。場の反応と問いに応じて講師が即興で編む、一回きりの講義。
ノートを取りません。記録ではなく、身体で聴く。翌日からの想起のために。
机はありません。ホワイトボード一枚と、椅子だけの教室。
(教室では書かない、家に帰ってから読む、という順序を守るため。)
一週間で、頭が回り出す。
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対面講義
テーマ非公開で火曜夜に集合。2時間の口頭講義。
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問いを受け取る
講義の終わりに、今週のテーマに沿った問いが渡される。
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思い出す
ノートを取らない前提。翌朝、手ぶらで授業を反芻する。
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調べる
必要に応じて資料・書籍にあたる。自学自習のフェーズ。
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書く
会員アプリで問いへの回答を言語化する。
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他者の視点を読む
他メンバーの回答が公開される。認知フィルターの違いに気づく。
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自己採点
自らの回答を振り返り、定着度をスコアリング。
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講義メモ閲覧
会員専用。講義のメモを読み直し、理解の精度を確かめる。
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講師返信を読む
講師からのフィードバックを受け取って、ようやく一講義が終わる。
思考を、一週間ぶん残せる場所。
ノートを取らない代わりに、
会員専用アプリで「自分の言葉」を残します。
- A.
問いに答える
講義の翌朝に届く問いに、自分の言葉で回答を書く。
- B.
他者の回答を読む
同じ問いに、他のメンバーがどう答えたかを読む。
- C.
講師の返信を受け取る
個別の返信が届いて、ようやく一講義が完了する。
- D.
講義メモを読み返す
家に帰ってから、講義メモを読んで理解の精度を確かめる。
過去のテーマ、十のジャンル。
次回のテーマは秘密ですが、過去はすべて公開しています。
この四年で、約 200 のテーマを扱ってきました。
哲学
- プラグマティズム再訪
- 生の哲学とベルクソン
- 現代倫理学の潮流
脳科学
- 記憶の物質的基盤
- デフォルトモードネットワーク
- 予測処理理論
経済
- 行動経済学の限界
- 贈与経済と市場
- マクロ指標の読み方
歴史
- ビールの歴史
- 香辛料と世界史
- 金本位制と通貨
言語
- メタファーの力
- 日本語の時制
- 音象徴
芸術
- 印象派とガス灯
- 映画編集の発明
- 民藝と柳宗悦
科学
- 複雑系入門
- 量子の哲学
- ゲーデルの不完全性
社会
- 認知資本主義
- フィルターバブル
- ケアの倫理
宗教
- 神話と儀礼
- 禅と身体性
- 世俗化論
テクノロジー
- AIの学習理論
- ネットワーク効果
- 暗号と信頼
数字で見る、ATAMAGYM。
2022年開講、毎週欠かさず
2026年現在
少人数制・紹介枠中心
哲学から脳科学、ビールの歴史まで
メンバーの声と、講師の返信。
問いに答えると、講師の返信が一通届きます。
── これは、その実際のやりとりです。
「編み直す」という表現に、ベルクソン的な持続の感覚を見ます。ただ一点、Y.K.さんの定式化だと〈現在の問い〉が主語として強すぎる。むしろ問いと記憶は相互に織られて、そこから現在が立ち上がる、という順序を試してみてください。次回のテーマにそっと接続します。
なぜ頭のスポーツジムに参加していますか?
自分からは興味を持たないであろうことに出会える場だからです。あくまで私感ですが、「学び/学問」というものが社会で役に立つかどうかそのものはあまり重要ではないと思っています。「学び/学問」というのは、個々人にとっての「基礎研究」だと思っていて、そもそも社会で役に立つかどうかなんて分かんない(役に立ったらもちろんラッキーだけど)類のもので、かつ、それくらいで考えておくのがちょうど良いのではないか、と。
その上で、「社会で役に立つことができる思考ができるようになるには、学び/学問が必要不可欠である」って感じで思っている次第です。世の中は日増しに「明日すぐに使える知識や思考」を重視する傾向に感じます。そういった中での頭のスポーツジムの存在は希少だと思いますし、極めてありがたいものと思っています。
来週の火曜日、
椅子をひとつ空けておきます。
入会は紹介枠が中心ですが、見学・体験のお問い合わせを受け付けています。
テーマはお伝えできませんが、扉だけは開けてお待ちしています。